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2011.11.06

富野由悠季監督説教大会@早稲田

早稲田大学の学祭で富野御大将が降臨されるって記事をネットで見つけて、飛びついたのは10月の上旬。
応募者多数の場合は抽選ってことだったので、ダメ元で申し込んでみたら、すんなり当選の通知メールが来た。そんなに会場キャパなさそうなのに、そこまで注目されるようなイベントでもないのかなぁ…などと思いながら、11月5日(土)の当日。

タイトルは、
 富野由悠季監督説教大会 ~3.11以降を生きる学生に向けて~

俺、もう学生じゃないけど…。
主催は早稲田大学ガンダム研究会。
そーいや、15年以上前くらいに、早稲田大学ガンダム研究会が出した「ガンダムの機密」なる本を買って読んでた。「黄金の国ジパング⇒ジオング」みたいなネタを、なんだそりゃと思いながら、それでも「やっぱ早稲田大学すげぇ」などとちょいとばかしのドーケイを抱かせてくれもしたもんだ。

構成は、だいたいこんなかんじ。
 富野の講義(45分)
 事前募集していた質問タイム(15分)
 会場質疑応答タイム(30分)

富野の帽子はターンエーの帽子? 飄々と登壇して、一同拍手喝采。俺も初の生トミノで大興奮。東京にいて良かった、とこのときもつくづく思った。

以下、私的備忘として、富野語録を残しておく。
全体を通じて、
「今、世界(日本)を動かしている大人の世代は、総じてダメだ。若者たちよ、なんとかなさい」
てなメッセージを受け取ったという認識。
まあ、主に学生向のイベントだということもあるのか、我々「若者」の世代を肯定的にとらえた語り口だった。

・10月30日、地球人口が70億を突破した。33年前、ガンダムは「増えすぎた地球の人口が…」というプロローグから始まった。そういう意味で、ガンダムワールドに接近していると言える。

・バカな大人の整理学を若者がやらなくちゃいけなくなってしまった。大人たちが「リアリズム」でモノを考えられていない。それはもはや、アニメ以下のレベルではないのか。(⇒先月号の中央公論?)

・自然災害に対して、なんとか耐えて暮らしていけるのは、人の遺伝子の力ではないか。「がんばるぞ」ではなくて、「負けないぞ」という気持ち。尊い。

・それに対して、原発問題。風評被害の部分もあるが、人に「これはダメだ」と思わせてしまうような。問題は、極度に専門知識を要するような技術なのに、素人が「安全だ」と言える様な組織(電力会社・国)を作ってしまったこと。原発を国策としてしまったこと。50年先100年先を考えた技術の作り方をしてきたのか? 安全だ安全だと繰り返す人たちは、原発についての専門知識を持っていないではないか。

・組織の成員となったとき、大人は途端に嘘つきになる。…的な見方でとか、…の立場でとか言って、自分達の都合のいいように言い分を作る。大人は正しくない。

・ボーイング787を採用した件。燃費が向上したというが、移動にはエネルギーを消費するが、それだけ価値のあるインテリジェンスを持っているのか? 

・革新的と言われているモノの表現が、アニメ・マンガにすり寄ってきているのでは? アートは高尚なものであれ。

・地球の人口が200億となるのもあっという間だろう。その時に耐えられるものづくりを。もう一方で、地球にとって人間は「汚染源」だ。減らすことも考えないといけないのでは?


Q.震災以後の政界は、責任論に終始し、事態の検証もできずに、我々は、政局を眺めているだけという状態。どうすれば、政界を正しい方向に導けるか?
A.教育するしかない。若者が20、30年後を目指して。今の世代の政治家には無理。絶望としか言えない。戦後すぐの厳しい時代を知らず、楽な思いしかしていないのだから。彼らは、学生運動のノリで、運動自体が目的。本当にごめんなさい。

Q.富野以外のガンダムについて?
A.一切見ていないので意見を言えない。嫉妬・憎しみを感じる。ただ、自分の才能だけで、30年もの間作品を続けることは無理だったと自覚している。他人が入ることで、現在のマーケットが形成されて、今自分もこの場に立てている。年金みたいなもの。

テープ起こししてるサイトがあったので、全文はそこで確認すりゃいいか。
http://d.hatena.ne.jp/char_blog/20111106/1320586190

講演会形式で誰かの話を聴くっていう機会が久々だったもので、テーマとかポイントを逃がさないように整理しながら聞くことができていなかった点は反省。
まあ、ひとつ思ったのは、書籍やネットでの富野へのインタビュー記事は、聞き手や編集者がだいぶ分かりやすくまとめてくれているんだろうな…ということ。

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